HISTORY

ピックアップヒストリー

当社に在籍しいていた故 石原政知の手記「わが道七十年」より、いくつかピックアップしご紹介させていただきます。

ヒストリー 戦後の話

復員した社員のうち、 2、3 者が仕事を再開したいということです。会社としても大歓迎で全面協力することになり、注文品は全て本社で調達し、独算自営の形態でスタートすることになりました。
先代から続いている営業方針も新時代に対応して転換する必要があると考え、役員会議を開き、協議の結果、同業他社への卸販売を主体とし、独自の商品を発売するために努力することを決めました。

さて、新製品と一口に言っても簡単に出来るものではありません。またどんなものが良いのか、これも直ちに決まるものではない。しばらくの後、技術面に明るい役員の提案で今後有望とみられる、高圧滅菌器の改良系を製造し、これを発売するという意見である。

賛成多数、早速下請け工場に試作品の製作を依頼しました。出来を待ってテストを繰り返し必要なデータも作った。
これを基礎として、カタログなどの販売資料を整えた後、販売業者や関係新聞、専門誌などに広告を出し、宣伝を始めました。
そして機会ある度展示会への出品も続けました。

初めて展示会へ出品した時のことですが、大きな反響で直ちに注文が決定したこともありました。納入したユーザーの評価も素晴らしく、取り扱った業者もこれに刺激されてか積極的に販売協力してくれたので、製造数も急速に増加していきました。
この商品がユーザーのニーズに適していることが証明されつつあるので、この機会に全国各地へ出張し、宣伝販売活動を始めました。
同時に一般の商品の卸販売による受注を行いました。これにより総売上高も倍増する勢いでした。担当役員の要望により、当社で直接製造することにしました。

この製品は発売以来、十数年にわたって販売することができたのですが、当社のものよりさらに改良された小形で新しい機構のものがアメリカから輸入され、独特な販売方法で地方に至るまで積極販売していったので、その影響もあって販売業は次第に低下し、加えて類似の国産品も各社から低価格で販売。互いに競争するようになり、大変苦しい状況になりました。

それは昭和 45 年頃からでした。

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